TFSカスタムアクティビティを使ったビルド結果へのドキュメントリンク その1

まずは、ビルドサーバに適当なファイルを作成します。
クライアントから参照できないと意味がないので、ビルドサーバの共有フォルダ直下(ここでは「E:\JavaBuildWork」→「\\build2008r2\JavaBuildWork」)に作成します。

Act041

VS IDEでビルドワークフローを開き、先ほど登録したアクティビティを追加します。

Act042

修正を保存/チェックインし、ビルドを実行してみます。
ビルド結果に「ファイルへのリンク」が表示され、リンクをクリックするとリンク先が表示されます。





Act043_3


Act044

Eclipseからでも同じように参照できます。



Act045_2


Act046

たぶん次が最後ですが、FindBugsの実行結果をリンク先にしてみたいと思います。

TFSカスタムアクティビティを使ったビルド結果へのドキュメントリンク その2

最後に、FindBugsの実行結果をリンク先として指定してみます。

TFSでのJavaビルド環境作成:FindBugsの実行」 で、FindBugsの実行結果をビルド出力フォルダに出力するように指定していますので、同じパスを指定すれば問題ないと思ってましたが、なぜかフォルダ指定を変えないと正しく参照してくれません。
(おそらく、ビルドプロセス実行中に変数内容が適宜変更されていると思われます)

またまたビルドワークフローを開き、WriteExternalLinkのリンク先として「BuildDetail.DropLocation + "\findbugs-result.html"」を指定します。



Act047_2

AntのBuild.xmlで指定したのは「${DropLocation}/${BuildNumber}」でしたので、「${BuildNumber}」が不要になっています。

修正を保存/チェックインして、再度ビルドを実行します。

Act048


Act049

FindBugsの実行結果がエディタで開かれました^ ^;

Eclipseではこうなります。

Act050


Act051

おまけですが、html形式で出力するとVS IDEではうまく参照できない(エディタが起動され、状態によってはソースが表示される)ので、Eclipseの兼用となるとtxt形式しか選択肢がないように思われます。

これでビルド結果画面でFindBugsの実行結果が参照できるようになりました。
いろんなものと連携させる際には使えるネタかと思います。

TFS カスタムアクティビティの作成

自分で機能拡張できるのもTFSのいいところということで、カスタムアクティビティを作成してみます。
主要なところ(というか、ほぼ^ ^;)は、「C#.NETでいく? TFS2010ビルド テンプレートのカスタマイズ(1)」以降と「Ewald Hofman Customize Team Build 2010 – Part 1: Introduction」以降を参考にさせて頂きました。

VSで新規プロジェクトを作成します。テンプレートから「アクティビティ ライブラリ」を選択します。

Act012

プロジェクト作成後、TFSのライブラリ(Microsoft.TeamFoundation.Build.Client)を追加します。

Act013


Act015

次に、プロジェクトにWorkflowテンプレートからコードアクティビティのクラスを追加します。

Act016


Act017

詳細は割愛させて頂いて、以下のようなソースに変更します。

Act018

変更概要としては
 ・Microsoft.TeamFoundation.Build.Clientを参照追加
 ・クラス属性として「[BuildActivity(HostEnvironmentOption.All)]」を追加
  →これを指定しないと実行時にエラーになります
 ・ワークフローで指定してもらうプロパティを追加する
  最初の「BuildDetail」は、ビルド結果が格納されているオブジェクトになります
 ・BuildDetailに対して、リンク形式の出力結果を追加する
  AddExternalLinkについての詳細はこちら
という感じです。

一旦ビルドを実行し、エラーがなければワークフローにおいてみます。
プロジェクトにある「Activity1.xaml」を開き、ツールボックスの「CustomActivities」タブに「WriteExternalLink」があるはずです。これをワークフローエディタにドロップし、プロパティで3つの引数が指定できる状態であればOKです。

Act020


Act021

次は、作成したアクティビティを展開する方法についてです。

TFSカスタムアクティビティの展開:セットアッププロジェクトの作成

作成したアクティビティを使うためには、
 ・VS/TFSが参照するフォルダにdllが格納されていること
 ・グローバルアセンブリキャッシュ(GAC)に登録されていること
が条件になります。(詳細については「Customize Team Build 2010 – Part 7: How is the custom assembly found?」)

参考にさせて頂いた「C#.NETでいく? TFS2010ビルド テンプレートのカスタマイズ(3)」とか「Ewald Hofman Customize Team Build 2010 – Part 7: How is the custom assembly found?」では、ビルドコントローラーに対してカスタムアセンブリを参照させる方法で解決していますが、複数のカスタムアセンブリを使いたくなった時にややこしくなるのが嫌だったので、ここではセットアップを作成して登録する方法をとります。

ソリューションに対して、セットアッププロジェクトを追加します。

Act022


Act023

自動的にエディタが起動されますので、「対象コンピュータのファイルシステム」を右クリックし、「特別なフォルダーの追加」-「グローバルアセンブリキャッシュフォルダ」を選択します。

Act024

GACに登録するファイルとして、プロジェクトでビルドされたファイルを指定します。

Act025


Act026

次は、セットアップ時の動作を少しだけ変更します。
通常、セットアップ実行時に「このユーザーのみ」と「すべてのユーザー」という選択肢が表示されますが、アクティビティはユーザ単位で使う/使わないというコントロールはしない(はず)ので、必ず「すべてのユーザー」でインストールするように変更します。
セットアッププロジェクトを右クリックし、「表示」-「ユーザーインターフェイス」を選択します。ユーザーインターフェイスのエディタ画面で、「インストール」-「開始」-「インストールフォルダー」のプロパティにある「InstallAllUsersVisible」をTrueに変更します。

Act034


Act035

ここで、セットアッププロジェクトをビルドすると、こんなエラーになってしまいました。

Act028

すっかり忘れていましたが、GACに登録するアセンブリは、厳密名を持っていないと登録できない仕組みになっています。(いわゆる「DLL Hell」の解決)

これはちゃんと対応しないといけないので、厳密名をアセンブリに付与します。

TFS2010のBuildProcessTemplate編集 その2

さて、WriteBuildMessageでビルド実行結果にメッセージを出力してみます。ツールボックスから、WriteBuildMessageをメッセージ出力したい場所にドラッグします。
今回は、「エージェントで実行」の中の、ビルド実行後に入れてみます。

Act006_4

プロパティで、「Message」に出力したいメッセージを"ダブルクォーテーション付き"で指定します。変更したら、保存→チェックインします。
チェックインまで完了したら、ビルドを実行してみます。
実行結果を確認してみると・・・・・・メッセージが出力されていません><



Act008_2

いろいろネットを検索してみると、メッセージの重要度(Importance)を変更しないと出力されないようですので、設定内容を変更します。

Act009

初期値は「Microsoft.TeamFoundation.Build.Client.BuildMessageImportance.Normal」なのですが、これを「Normal」から「High」に変更します。
(ここでもインテリセンスがきくのは流石です)

Act010

保存・チェックインしたあと、再度ビルドを実行して、結果を確認してみます。

Act011

ちゃんと出力されました。

単純なメッセージはこれで出力できるのですが、当初の目的であったリンク形式でのメッセージ出力はこれではできません。(他のアクティビティでもリンク先のURLを指定する項目はありません)

さて、どうしたものかと悩みましたが、ネットでいろいろ検索してみると、リンク形式でのメッセージ出力ができるカスタムアクティビティを作成している人がいました。
それをそのまま使わせていただこうかと思いましたが、せっかくなのでカスタムアクティビティの作成も行ってみようかと思います。

TFS2010のBuildProcessTemplate編集 その1

FindBugsの実行結果をビルド実行結果から参照するためには、ビルド結果メッセージを出力しないといけないはずです。

となると、「ビルドが終わったら」とか「FindBugsが終わったら」といったタイミングで出力することになりそうですが、どこでどうやったら可能なんでしょうか??

TFSの場合、いろんな処理のフロー(ビルドプロセス)については、ビルド定義で指定されているビルドプロセステンプレートに定義します。
個別に処理を変更した場合には、テンプレートファイルを編集します。
編集例はMSDNのチュートリアル: カスタム ワークフローの定義と Team Foundation ビルドからのデータベースの配置にあります。

TFSのビルドプロセスは、ビルド定義にある「プロセス」で指定されています。

Act001

実体は、Windows Workflow Foundation(WF)用のXAMLファイルになっています。
XAMLファイルなので、テキストエディタでペシペシ編集すると想像してしまいますが、
なんと、WF用のエディタ画面があります!
ビルド定義画面で「バージョンコントロールパス」をクリックし、ソース管理エクスプローラーから、ビルドプロセスファイルに指定されているファイル(今回はUpgradeTemplate.xaml)をダブルクリックします。

Act003

なんということでしょう、ワークフローエディタ画面になるではありませんか。
ツールボックスにもたくさん入っています。

Act004

ビルド結果にメッセージを出力するための部品(アクティビティ)としては、
 ・WriteBuildError
 ・WriteBuildInformation<T>
 ・WriteBuildMessage
 ・WriteBuildWarning
の4つになります。

Act005

次は、ためしにWriteBuildMessageで単純なメッセージを出力してみます。

TFSでのJavaビルド環境作成:JDKとAntのインストール

ほぼ1ヶ月ごとの更新になってます^ ^;

さて、今までクライアント側(Eclipse)のことは何回か書きましたが、これからはサーバ側のことについて書いてみたいと思います。
(ほんとは.NETで全部開発したいのに...)
※あくまで1例です

今回、こんな環境を前提で作業を行います。
Buildjava01

TFSのアプリケーションサーバ(tfs02)とビルドサーバ(build2008r2)を分けてみました。
プロジェクト管理は1サーバで集中管理するけど、ビルドは言語別で環境を分離するかなという想定です。

まずは、ビルドサーバにJDKとAntをインストールします。JDKは16.u18、Antは1.8.1を使ってみました。
インストールそのものに注意点はありません。JDKはインストーラーの言うことに従い、Antはただ解凍するだけです。

インストール終了後、JDKとAntのインストールフォルダをシステム環境変数に追加します。
今回は、JDKは「JAVA_HOME」、Antは「ANT_HOME」で追加します。

TFSでのJavaビルド環境作成:Ant用Build.xml作成

続いて、TFSのビルド定義からAntを起動できるようにします。

まずは、VSからTFSプロジェクトを作成します。その後、Eclipseから作成したTFSプロジェクトに接続します。
Buildjava03

そして、EclipseでJavaプロジェクトを作成し、TFSプロジェクトに登録します。

Buildjava04_2

「保留中の変更」にいろいろでてくるので、とりあえず「チェックイン」してしまいます。
その後、Team Foundation Server チームエクスプローラーから「ソース管理」をダブルクリックし、ソース管理エクスプローラーからJavaプロジェクトフォルダの下にある「.settings」のフォルダをクローク(ファイル同期対象外にする)します
(Team Foundation Server チームエクスプローラーはパースペクティブから開けます)

Buildjava05_2

Javaソースファイルを作成し、TFSにチェックインします。
次に、Ant用のBuild.xmlファイルを作成し、TFSにチェックインします。
最初はビルドでエラーがでても嫌なので、メッセージだけ出力することにします。
Buildjava06

次は、TFSのビルド定義の作成です。

TFSでのJavaビルド環境作成:EclipseからTFSビルド定義作成

前回作成したBuild.xmlを使うTFSのビルド定義を作成します。
チームエクスプローラーから「ビルド」を右クリックし、「新しいビルド定義」を選択します。
Buildjava07_2

VisualStudio IDEから作成するのとほぼ同じですが、一部異なります。
ビルド定義名は「JavaBuild」で作成してみます。
Buildjava08

トリガーは「手動」のままです。
Buildjava09

ワークスペースはデフォルトのままにします。
Buildjava10_2

ビルドの規定値で、「ビルドコントローラー」にはビルドサーバで稼働しているビルドコントローラーの名称(デフォルトのままで作成した場合、「既定のコントローラー – [ビルドサーバ名])を選択します。また、ビルド結果(結果ログ、作成したバイナリファイルなど)を保存/公開するための共有フォルダ名を入力します。
Buildjava11

次項目がVisualStudio IDEとは完全に異なります。VisualStudio IDEから作成したときは「プロセス」となっていて、MSBuildとかWF(Windows Workflow Foundation)エンジンへのパラメータを設定するのですが、TEE(Team Explorer Everywhere)からビルド定義を作成(編集)したときには、MSBuild用のファイルを指定する内容になります。
ビルド定義を作成したときには、MSBuildプロジェクトファイルは作成されていませんので、「作成」ボタンが表示されます。
Buildjava12

ビルド構成のウィザードが起動されます。今回はAntを使用するので、「既存のAnt BuildfileによるMSBuild構成」を選択し、「次へ」を押します。
Buildjava13

TFSビルド定義で使用するAntビルドファイルとして、先ほど作成したBuild.xmlを指定します。
Buildjava14

「完了」を押すと、MSBuildプロジェクトファイルが作成され、元のTFSビルド定義編集画面に戻りますので、「OK」を押して定義作成を終了します。
Buildjava15

これで、TFSビルドからAnt用Build.xmlが実行できるようになったので、おためしで実行してみます。
Buildjava16
Buildjava17

ビルドが完了したら、実行結果を確認してみます。
Buildjava18

結果一覧から最新ビルド結果レコードをダブルクリック
Buildjava19

概要のところに「ログファイルの表示」がありますので、これをクリックすると、Ant用Build.xmlのログファイルが表示されます。
Buildjava21

「BUILD SUCCESSFUL」と出力されてるので、Antそのものは起動されているのですが、、Build.xmlで記載したメッセージが出力されていません。
どうするかはこの次で。

TFSでのJavaビルド環境作成:AntのTarget指定方法

前回、Ant用Build.xmlが実行できたのにメッセージが出力されなかったのは、Ant実行時のTarget名を指定していなかったためです。
Antでは(Antじゃなくてもそうだと思いますが)、一連のまとまった処理をTargetとして定義し、実行時にTarget名を指定することでいろいろ動作を切り替えます。
今回作成したBuild.xmlは、
Buildjava06_2
という内容で作成しました。<project default="">と指定しているので、実行時にTarget名を指定しないと何も実行されません。

しかし、AntのTarget名を指定するところはどこにもありませんでした。
VisualStudio IDEからビルド定義を開いても、AntのTarget名を指定する項目はありません。
Buildjava22

多少力技かと思いますが、MSBuildプロジェクトファイルを修正して、MSBuildの引数でAntのTarget名を指定できるようにします。
ここからはVisualStudio IDEでの作業になります。
まずは、TFSプロジェクトのフォルダとローカルフォルダのマッピングをしておきます。
チームエクスプローラーから「ソース管理」をダブルクリックし、ソース管理エクスプローラーを開きます。
Buildjava23

ローカルパスのところに「マップされていません」とあるので、クリックします。
Buildjava24

マッピングするフォルダを指定し、「マップ」を押すとソース管理エクスプローラーに戻ります。
MSBuild用のプロジェクトファイルは「TeamBuildTypes」-「[ビルド定義名(ここではJavaBuild)]」-「TFSBuild.proj」になります。
まずは編集のために、最新ファイルを取得します。
「TFSBuild.proj」を右クリックし、「最新バージョンの取得」を選択します。
Buildjava28

取得が終わったら、ダブルクリックしてファイルを開きます。
ファイルの最後のほうにAnt関連のパラメータを指定する記述があります。(AntBuildFile要素)

Buildjava29

Target要素に指定した名称がAnt実行時のTarget名として使われますが、何も指定はありません。ここに、MSBuildの引数を当てはめることにします。
Target要素の内容として「$(AntTarget)」を追加し、保存→チェックインします。
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次に、TFSのビルド定義を変更します。
チームエクスプローラーから「JavaBuild」を右クリックし、「ビルド定義の編集」を選択します。
Buildjava32

「詳細」の中にある「MSBuild引数」のところに「Property:AntTarget=test」を追加し、保存します。
Buildjava33

Eclipseから再度ビルドを実行し、結果を確認します。
Buildjava34

ちゃんとAntの"test"Targetが実行され、メッセージが表示されました。

次は、Antのjavacタスクで指定するソースファイル/クラスファイルの場所指定についてです。